10.5. 科学のプロセス : インフルエンザワクチンは高齢者にも有効か
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観察
ワクチン接種を受ける高齢者の割合が1980年には15%だったものが1996年には65%に増加している
疑問
インフルエンザワクチンの接種を受けた高齢者の死亡率が本当に減っているだろうか
一般市民を母集団とした統計の解析を行うことにした
仮説
ワクチン接種直後の冬期にワクチン接種を受けた高齢者の入院期間と死亡率が低下する
実験
1990年代の10回のインフルエンザの流行するシーズンの間に、65歳以上の高齢者1万人について追跡実験を行った
結果
ワクチン接種を受けた人は次のインフルエンザシーズン中に入院する割合が27%低下し、死亡率は48%低下していた
対照として、インフルエンザが流行しない夏の間は、ワクチン接種を受けた人の入院の割合はワクチン接種を受けていない人と差がなく、死亡率もわずか16%低下しているだけであった
このことから、インフルエンザのワクチン接種はインフルエンザシーズン中の高齢者に顕著な健康上の利益があることが示唆された